先日、あの16連射で伝説(私が小学生当時のヒーロー!)高橋名人のブログで面白い記事を拝見しました。
高橋名人16連射のつぶやき
内容はPCエンジンのハードに関する構想で背面の拡張バスについて当時の共同開発に纏わるお話でした。
確かに当時の子供たちは拡張バスの将来性よりも今遊べる性能の方が魅力的だったと思います。
スーパーファミコンのサテラビューとかもその類でしたね。拡張バスによるドッキングパワーアップの商品はあまり流行りませんでした。
拡張バスの特性故、排他的な短所が出たりと当時の商品展開、開発側の構想関連の記事内容で非常に興味深かったです。
その記事内で悲運な伝説のゲーム機「レーザーアクティブ」に触れられていました。
パイオニアさんから出ていたレーザーアクティブというレーザーディスクとPCエンジンを合体させたハードにより、映画を見ることも出来たゆえの展開だったと思います。
*高橋名人ブログより引用
今回、本記事内で紹介させていただく許可を申し出たところ名人から直接「いいですよ!」と快く了承の返事をいただきました。
名人!ありがとうございました!!
懐かしい名前を久しぶりに見てヒットに恵まれなかったこのゲーム機を皆さんに知ってもらいたく
今日は「レーザーアクティブ」についていろいろと紹介したいと思います。
そもそもこの「レーザーアクティブ」を説明する前にこのゲーム機が対応する光ディスク
「レーザーディスク」から説明させていただきます。
平成生まれくらいの若い方々は馴染みは無いと思いますが
光ディスクのDVDが登場する前に映画の再生媒体としてメジャーだったのがこの「レーザーディスク」です。略して「LD」と表現されたりします。
CDやDVDと同じ光ディスクの1種なんですがDVDが直径12㎝なのに対しこのLDは
なんと直径30㎝!!
倍以上のサイズで兎に角馬鹿デカいんです。
このディスクを初めて見る方は驚きの余り笑ってしまうくらい馬鹿げたサイズです。
こんなどデカいサイズの光ディスクをこれまたどデカいプレイヤーに普通にセットし映画を見ていたんですから今考えると凄く変な感じです。
しかもこの光ディスクは音楽レコードと同じく記録面として表裏A面、B面があり映画の途中で裏返して続きを見ていました。(後に裏返さなくても両面読み取れるプレイヤーが発売されました)
因みに私は少ししかレーザーディスクの映画タイトルを所有していません。
そんなレーザーディスクに対応したゲーム機が1993年に登場しました。
これが「レーザーアクティブ」です!
本体フロント。レトロなAV機器を思わせる無骨で黒くゴツイ筐体。本当にゲーム機か?と思う外観。(右上に乗っかっているのはPCエンジン拡張パック)
本体背面の各端子。
1993年発売とあって映像出力がコンポジットしかなくS端子すらありません。
ですので映像はくっきりはっきりとはいかず少しボケた感じであまりきれいではないと思います。
音声はAV機器らしく光デジタルがあります。
現在は、趣味部屋のメタルラックに鎮座しています。下のうす汚れたマシンはNECの純国産PC。PC-9821。購入から23年経ちますがまだまだ現役です。これは後日、記事にて紹介します。
このゲーム機らしくないゲーム機。パイオニアより発売されました。
レーザーディスクが再生できるので映画を見ることができます。
今では特に珍しくありませんが映画も見れるゲーム機はこの時からあったんですね。プレステ2がはじめではありませんでした。
この「レーザーアクティブ」、これだけではありません。
最大の特徴!拡張パック!!
本体に拡張スロットを装備しそこに専用パックを差し替える事であらゆる機能を実装できるという仕様でパソコン接続モジュール、カラオケモジュール、3Dゴーグルモジュール等がありました。
カラオケだったら驚かないんですがゲーム機であるPCエンジンさらにはあのメガドライブが専用パックとして登場!
PCエンジンの専用パックを挿入すればPCエンジンのゲームがほぼ全てプレイできます。
さらにメガドライブの専用パックを挿入すれば同じくメガドライブのゲームもプレイできます。
スゲエッ!!
まさにALL in One なゲーム機です!
本体フロントの向かって左下に拡張スロットがあってそこに挿入する仕様です。
んで、拡張パックの背面は本体と接続するコネクタが確認できます。
こんな感じで挿入します。
この拡張パック当然サイズはみんな一緒で結構デカい。
大きさは任天堂のWii本体ぐらいかなと思っていたんですが実際重ねてみると拡張パックのほうが大きいですね!
はい。挿入すると出っ張りもなくきれいに収まります。これはメガドライブの拡張パックですね。
メガドライブのカセットは拡張パックフロントにスロットがあって
カセットを挿入できます。右側にコントローラを2つ接続できます。
電源を入れるとフロント中央のリセットボタンと右上のCD、LDのイジェクトボタンが点灯します。
これがPCエンジンの拡張パックを挿入したところ。
フロントにHuカードのスロット。右側にコントローラを1つ接続できます。メガドライブと違ってコネクタが1つなんで別売りのマルチアダプタを接続すれば2つ以上接続できます。
本体フロントの左側上部に電源、拡張パックリリース、再生ボタンが並んでいます。
拡張パックリリースボタンを強く押し込むとガコッと拡張パックが押し出され取り外すことができます。
はい!こんな感じです。デカいでしょ。
驚愕のお値段
これが発表された当時、私は高校生でしたがレーザーアクティブのハード仕様がPCエンジン、メガドライブが1つになった、まさに夢のゲーム機ということで欲しくてたまりませんでしたが手に入れることは叶いませんでした。
それは・・・。
本体定価89,800円!!!
これが無いとゲームができない必須の拡張パック。PCエンジン、メガドライブそれぞれ
定価39,000円!!!
全て合わせて167,800円!!!!
拡張パック片方諦めても128,800円!!!!
本当に現在でもあり得ないこの価格!
当時の国産パソコンPC98に匹敵する値段でした。
貧乏な高校生に買える筈ね~~~!!!
そうこうしているうちにあまり売れず(それでも42万台売れたらしい)1996年あたりから店舗で見ることは無くなってしまいました。
夢のマシンは夢のような存在になってしまったんですが社会人になって(今から12年前)ヤフオクで本体とメガドライブ拡張パック付きで7000円で出品されていたのを発見し即落札!!
その翌年、同じくヤフオクで本体とPCエンジン拡張パック込みで10000円で出品されていたのを落札!
一時的にレーザーアクティブ2台所有していましたが1年後にPCエンジンパックとセットで購入した本体から煙がでて故障し廃棄。
現在、本体1機、拡張パック2つの構成になっています。
夢のマシンをこんな安価で容易くゲットでき、ヤフオクというサービスが世に出たことを大変感謝しました。
この時はレトロゲームブームはまだ来ていない為、安かったですが今ではこんな価格では絶対に購入できませんね。
動作品の拡張パックセットなんて状態にもよりますが3万~7万円はします。
対応するLDゲーム
これがレーザーアクティブで遊べるゲームタイトルです。
今は3枚しか所有していません。
取り出すとこんな感じでビニールカバーに入っていて
取り出すとこんな感じ。PS2の真女神転生3のディスクと比較。
やっぱでかいですね!!
レーザーディスクの仕様で裏表が記録面なんですがこのゲームディスクでは片面のみしか記録していない為、裏返すとこんな表記が確認できます。
本体のLDイジェクトボタンを押すとLDのトレーが出てきます。サイズ感がおかしいですが大きいですね。
手が大きめの僕でも片手で持つのがやっとです。
ディスクをセットするとこんな感じです。
今度はCDイジェクトボタンを押すとCDトレーがLDトレーの中央を分割して出てきます。
これが普通のサイズですよね。メガCDのディスクです。
はい。セット。まぁ普通ですね。
では、実際に起動し各対応ゲームで遊んでみます
まずはPCエンジンの拡張パック
Huカード(ストリートファイター2ダッシュ)
とりあえずPCエンジンの拡張パックでHuカードのストリートファイター2ダッシュを起動してみます。
挿入します。
コントローラを接続し電源オン!
プロジェクタも電源を入れます。
起動しました。
CDやLDのゲームとは違いHuカードやカートリッジのゲームは電源オンで直ぐにゲームが起動します。
早速プレイ。キャラクターセレクト。どうでもいい話、過去の記事でも触れましたがこのキャラクターセレクトBGMが脳内に残りやすく高頻度で脳内にて再生されます。
リュウを選択。1試合目はガイル。
PCエンジンの6ボタンコントローラであるアベニューパッド6を使用したので操作しやすかったです。
敗者のボコボコ顔は健在。
Huカード(天の声バンク)
続いてゲームではありませんが天の声バンクが起動できるか確認します。
これはゲームのセーブデータを保存できるメモリーカード的な存在です。
挿入します。
起動しました。タイトル画面。
操作メニュー画面です。
問題なく動作します。拡張パック本体にも保存メモリーが内蔵されており本体に保存したゲームセーブデータを天の声バンク内に移動又はコピーが可能でその逆もできます。
問題なくセーブデータバックアップ可能でした。
SUPER CD-ROM2(スナッチャー)
続いてCDゲームを起動してみます。
スナッチャーです。
これはメタルギアソリッドで有名なコナミより発売された近未来SFアドベンチャーゲームです。
他にも近未来SFアドベンチャーとして別のハードですがポリスノーツが出ています。
私はこの手のアドベンチャーゲームに目がありません。これはまた後に記事にさせていただきます。
CDトレーを引き出し、セット。
CDゲームはいきなりゲーム起動せずこの様な本体メニューが表示されます。
PCエンジン、メガドライブそれぞれの拡張パックでメニュー画面が違います。
再生ボタンを押して続行。
起動しました。タイトル画面です。
ちょっとプレイしていみましたがやはり音声がゲーム内で出力されるのは良いですね。
当時、ゲームキャラの音声がゲーム内で再生されるのには本当に感動モノでした。
ARCADE CARD専用CD-ROM2(ワールドヒーローズ2)
続いてPCエンジンの特殊なオプション的ハード仕様でアーケードカードというものがあります。
これはゲームセンターで稼働する大容量なアーケードゲームを移植する際、ゲームデータ容量が本体容量では不足の為、補う形で使用するHuカードです。
大半が上記理由での大容量ゲーセンゲームの移植タイトルですが他にも移植ではなく新規タイトルで単にゲームデータが大容量を理由にアーケードカード専用のタイトルとして登場した物もあります。
アーケードカード専用タイトルのゲームはこれを挿入しないと起動できません。
他にも専用ではなくアーケードカード対応タイトルのゲームもありこちらはアーケードカードが無くてもプレイできますがアーケードカードを挿入しプレイした場合、ロード時間が短くなる、音声がCD-DAに代わる等の変化があります。
このカードはアーケードカードDUOというものでPCエンジンスーパーCDROM2以降のゲーム機(スーパーCDROM2、Duo、DuoR、DuoRX)に対応しこれとは別にアーケードカードPROという物もあってこちらはスーパーCDROM2以前のゲーム機に対応します。
スーパーシステムカードが内蔵されているか否かの違いですね。因みにアーケードカードPROはプレ値で取引されているみたいです。
早速挿入。
電源を入れCDをセットします。
アーケードカード専用タイトルであるワールドヒーローズ2を用意。
NEOGEOのゲームですね。これがPCエンジンに移植された当時は本当に驚きました。
あの非力なPCエンジンで100メガショックのゲームが動作するなんて考えられませんでした。
しかもレベルの高い移植再現で中々素晴らしい出来でしたね。
ディスクをCDトレイにセット。
Huカードスロットに挿入していますがCDゲームなので本体操作メニュー画面が表示されます。
再生ボタンを押下。
起動しました。
いいですね~100メガショック特有の迫力のオープニングが見事再現されています。
タイトル画面です。
当時ワールドヒーローズ2は死ぬほどプレイしました。
とりあえず半蔵を選択。
このゲームの特徴で通常バトルかデスマッチバトルかどちらかを選択できます。
デスマッチを選択。
マッドマンが相手ですね。アーケードカード専用タイトル特有の仕様でここで長いロード時間が発生します。
CDデータが倍速読み込みの速度なんでどうしてもロムカートリッジのように即時起動とはいきません。
この辺はNEOGEOCDも同じですね。
始まりました。デスマッチモードでは色々なデスマッチが用意されていて今回は床にカッターが飛び出して移動してくるのを避けながらバトルするルールです。
とりあえず勝ちました。このゲームはどのキャラもぶっ飛んだ設定が非常に面白かったですね。
特にラスプーチンが面白いですね。
LD-ROM2(悪魔の審判)
お待たせしました!
やっとLDゲームの登場です。
これはデーモン閣下がメインで登場する心理ゲームソフトです。
各ジャンルに沿った質問に答えると心理分析結果を閣下から聞けるだけという中々のクソゲーw
デーモン閣下の若かりし姿が拝めるということで購入したんですが今では結構なプレ値で販売されているみたいですね。
これはLDディスクのみのセットでOK。
光ディスクなので本体操作メニュー画面が表示されます。
再生。
起動しました。オープニングでは閣下の登場ムービーが拝めます。
こんな感じでありがたい心理分析を聞けます。
ゲームプレイ内容はYouTubeの動画でどうぞ。
メガドライブの拡張パック
カートリッジ(ラングリッサー2)
ラングリッサー2を用意しました。
メジャーなシュミレーションRPGの2作目です。ファミコンではファイアーエムブレムが有名ですね。
メガドライブのカセットは表ラベルが下になるように挿入します。
カートリッジなんで即ゲーム起動。
オープニングデモ画面。
タイトル画面です。
このゲームは所有していますがあまりプレイしていません。
このゲームの前作になる1作目はPCエンジンのスーパーCDROM2で出ていて所有しています。
シリーズもたくさん出ていて色々なハードでプレイできます。
MEGA-CD(聖魔伝説 サザンアイズ)
メガドライブのCDゲームMEGA-CDです。
漫画で有名なサザンアイズのゲームですね。
ファンタジーといえば西洋的なものが多い中これは東洋のヒンドゥー教の神が多数出てきます。
CDゲームなので本体操作メニュー画面が表示されます。
これはメガドライブ拡張パックなんでメニュー画面もメガドライブ仕様になります。
とりあえず再生。
オープニングの後、タイトル画面が表示されました。
このゲーム、聖魔伝説 サザンアイズはゲームオリジナルストーリーではなく原作の漫画のストーリーに沿った物みたいですね。
これもプレイできていません。いわゆる積みゲーってやつですね。いつかはゆっくりプレイしたいです。
先ほどのPCエンジンのスナッチャーみたいにキャラクターが音声で喋りまくります。
これはMEGA-CDですがPCエンジンにもサザンアイズのゲームは出ています。
三只眼變成というタイトルでゲームオリジナルストーリーです。
ゲームの付属品として珍しくVHSのテープが付いてきました。
こちらはクリア済みで結構面白かったのを覚えています。
MEGA-LD(トライアッドストーン)
やっと最後に紹介するゲームです。
MEGA-LDですね。メガドライブのLDゲーム「トライアッドストーン」です。
このゲームはアクションゲームではあるんですが結構変わった操作内容です。
アニメーションムービーが再生され各所でコマンド入力を求められ時間内に入力できなければ終了。
各所のコマンド入力を的確にこなしていけば次のシーンのムービーが再生されていく流れです。
この手のゲームで似たやつはタイムギャルというものがあり非常にプレ値になっています。
なんとこのタイムギャルはスマホアプリに移植され現在プレイ可能だそうです。
パッケージ裏面。
ゲームの説明が記載されています。
LDと一緒に封入されていた1枚の説明書。
表面。
裏面。
LDをLDトレイにセットし電源オン。
メガドライブ拡張パック操作メニューにて再生ボタン押下。
オープニングムービーが再生された後にタイトル画面が表示されます。
ゲームスタートすると早速ムービーが再生されます。
いきなり岩の壁に突き当たりキー入力を求められます。ここでは十字キーの左右を連打します。
無事次のシーンに勧めました。
間を置かずまたキー入力要求。ここでは十字キーの右を押下。
更に続けてキー入力要求。十字キーの左右連打みたいです。
虫がわらわら出てきました。
キー入力に失敗しました。虫に襲われ死亡。
また最初からやり直しになります。
先ほどの虫のシーンをクリアした後に今度はオークらしきモンスターに背後から襲われます。
またもキー入力失敗。顔面をつぶされ死亡してしまいました。
残機が無くなった為、ゲームオーバーになりました。コンティニューもできます。
各所で求められるキー入力をタイミングよく押し続ければクリアできる感じなのでキー入力内容を丸覚えすれば行けそうです。
繰り返しプレイすれば結構簡単にクリアできるかもしれませんね。
ムービーメインのゲームなのでどちらかといえば後に発売されるPC-FXで発売されても良かったかも。
PC-FXはノンウエイトでアニメーションムービー再生が可能なので相性が良さげです。
レーザーアクティブもPC-FXも短命なのであまり変わりませんがPC-FXは本体価格がこのレーザーアクティブよりは良心的なので購入のハードルは低くプレイしやすかったと思います。
まとめ
如何でしたか?
レーザーアクティブについて紹介させていただきました。
今でも稼働する環境を維持できているだけで幸せなんで偶に起動させてみては元気に稼働する姿を見て楽しんでいます。
この手の筐体は中にゴムのベルトが仕込まれており非常に劣化しやすいです。
私の所有するレーザーアクティブは中古で購入してから10年以上経ちますがまだ故障はしていません。(1機壊しましたが・・。)
もしかしたら前所有者がオーバーホールしてくれていたかもしれないですね。
10年前よりも値段は高くなってはいますが今もヤフオク等で出品されている為購入は可能です。
興味を持たれたら・・・ってあまりにデカく故障しやすいのでお勧めはしません。
あまりにも高価な本体価格故にヒットせず消えていった夢のゲーム機「レーザーアクティブ」でした。